神対応に救われた、父母ダブル入院!
認知症の父母を介護していたときのことです。二人とも全介助が必要で言葉を発することも難しく、慣れている人でないと介助ができない状態でした。そんな二人が同じ時期に体調を崩し、入院することになってしまいました。
まず、二人の食事への不安が私の頭をよぎりました。
慣れた人のいつも通りの介助だとスムーズによく食べてくれるのですが、違う人の介助だとなかなか食べてくれません。家では私とヘルパーさんとで食事の世話をしていましたが、入院すると病院に全てを任せることになり、ヘルパーさんには頼れません。家族である私が介助することはできるのですが、今回は二人同時なので、どうしたらいいのか分からない状態でした。
さらに、二人の入院する病院が別々でかなり離れていることも問題でした。どちらか一人が入院するだけでも大変なのに、二人が同じ時期に離れた病院に入院するのです。私一人で病院を行き来して食事の介助をするのは不可能です。二人の様子を見に行くことも難しくなりそうで、これまで経験したことのない不安でいっぱいになりました。私は完全にパニック状態になっていました。
解決策も見つからないまま父の方が先に入院しました。そして母がその三日後に入院が決定したとき、私はなすすべもなくてこの状況を母のケアマネージャーさんに相談しました。
すると、事情を知ったケアマネさんがすぐに動いてくれたのです。
父と母それぞれの病院に掛け合って、特例で母を父と同じ病院に入院させてもらえるようにしてくれたのです。母の通院先にも入院施設はあるので、母が通院していない別の病院に入院することは、本来ありえないことでした。それでもケアマネさんが熱心に大変な状況を説明してくれて、どちらの病院も快く協力してくれたのです。なんという神対応でしょう。
私はこの奇跡の展開に喜びほっとするとともに、素早く粘り強く病院に交渉してくれたケアマネさんと、そのことを快諾してくれた病院に感謝の気持ちでいっぱいになりました。こうして母は父と同じ病院に入院し、さらに幸運なことに同じ病棟になりました。
奇跡はそれだけではありませんでした。
母が入院して2日目のことです。私が二人の部屋を何回も行き来しているのを見かけた看護師さんが事情を知り、「そんなことなら、お父さんとお母さんを同じ部屋にしましょう!」とすぐに担当の看護師とともに手配して、あっという間に同じ病室に移してくれたのです。度重なる神対応に、私は驚きと感謝で胸がいっぱいになりました。
二人は、同じ病室の向かい合ったベッドで診てもらうことになりました。父と母が同じ部屋にいるので、私は安心して落ち着いて二人を見守ることができました。食事介助は看護師さんの助けを借りながら、少し時間をずらしてもらうことでスムーズにできました。そのおかげで父も母も順調に回復して、退院することができたのです。
あのときのケアマネさんや病院スタッフの対応を思い出すと、今でも胸にこみ上げてくるものがあります。本当に奇跡の神対応としか言いようのない、感謝、感謝の出来事でした。